英語習得 家でできることはまだある!
「英語習得という時、皆さまは下記のうち、どのレベルをお子さんに目指してほしいですか?」 以前、この連載で皆さまにお伺いしたことがあります。
- Level1:英語に親しむ
- Level2:英語をしっかり学びたい
- Level3:英語を使って別のことを学びたい
言語学習は「環境設計」がカギ 無理は禁物
言語を学ぶ上で一番大切なのは、というよりも何を学ぶ上でも大切なのは、「好きこそ物の上手なれ」です。楽しく、かつその楽しさが継続できるような環境設計が一番重要! これは、どのレベルを目指すにも、何を学ぶにしても、大人であろうと、子供であろうと共通の鍵となります。
どのレベルを目指すにせよ、高額なレッスン費用や押し付けのお習い事にならなくてできることがたくさんあります。今回は、その一つをご紹介させていただきます。
動画配信サービスはもっと活用できる
最近のコロナによる巣ごもり傾向の影響も大きかったとは思いますが、Netflix(ネットフリックス)、Hulu(フールー)、Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)などの有料の動画配信サービスを利用する方が増えてきました。読者の皆さまの中にも、どれかしらには登録しているという方が多いのではないでしょうか。
コロナの時代、お子さんとも以前のようなペースでお出かけできないですよね…。加えて、最近日中は危険なくらい暑いので、公園で遊ぶのも滞在時間や熱中症に気をつけながら短時間となってしまいます。必然的に家での時間が増えますが、過ごし方に限界を迎えてしまうのも事実…。
そのような時に活用できるのがこの動画配信サービスです。我が家は、NetflixとAmazon Prime、場合によってはHulu再契約というルーチンで、映画・ドラマ・アニメなどを見ています。
すべてのツールにおいてそうですが、目的なく使うと、時間をただただやり過ごしているだけで「時間の無駄」になってしまいます。でも、「家族で一緒に言語を学ぼう」という思いで一緒に見ると、動画を見る時間もより有意義なものになるかと思います。
言語の幅が広いNetflix 親も子供番組と侮るなかれ
動画配信サービスで私がおすすめしたいのはNetflix。さすが世界中で使われているサービスだけあり、言語の選択肢が豊富! 例えば、我が家の息子たちが赤ちゃん(1-2歳)の時に見ていた『ことばのパーティー(Word Party)』 というアメリカの子供向けプログラムには音声の選択肢が22種類、字幕は25種類もあります。我が家は、インターナショナルスクールに通学し英語には学校で触れていることもあり、「動画やテレビは日本語」というルールを決めています。ですので、動画は原則日本語で視聴しますが、場合によっては英語・中国語などたまに使い分けたりもしています。
我が子が英語で動画を見るときに、「子供プログラム向けだからパパ・ママは英語学習ができない」と侮ってはいけません。子供のプログラムは、ビジネス英語では後回しにされる日常会話の宝庫です。ちょっとした言い回しや、単語力を伸ばすのに「良い機会」と思うと子供と一緒に楽しめますよ。
さらに磨きをかけたい親たちに「最高」のツール
心の底からおすすめしたいNetflixの機能がこちら、『Language Learning with Netflix(ランゲージラーニングウィズネットフリックス)』 です。Googleのウェブブラウザー、Google Chromeの拡張機能です。インストールする必要がある上、Netflixをブラウザで視聴するときにしか使えません(※)が、どの言語を学ぶにしても最高のツールです。そして、何よりうれしいことに無料です! ※テレビにNetflixが内蔵されている場合やアプリからは利用できません。
私はこれを、常に頭を悩ませている中国語を学ぶために使っています。詳細は、Language Learning with Netflixのウェブサイト(外部サイト) からご覧いただければと思いますが、字幕がただ付いているだけでなく、字幕にカーソルを当てると、その単語だけ発音してくれたり、意味や同義語などが表示されます。また、再生速度を変更したり、字幕ごとに再生を繰り返したりと、便利な機能が多いです。
ただし、元の言語と違う言語で再生して字幕を見たい場合、字幕と音声が一致していないこともありますので、全て完璧とはいきませんが、それを考慮しても「最高!」と評価したい機能です。
欲求を学ぶエネルギーに
英語も、私がいま習得したい中国語も、言語習得のキモは「環境設計」です。楽しさが続くことが大事です。自分の好きな動画コンテンツを、翻訳を介さずに、ネイティブが受け取るニュアンスで理解できたらうれしくなりますよね。
まだ日本語を勉強中の子供にとって、他言語で動画を見ることは大人にとってのそれよりも違和感のない行動かもしれません。ただし、日本語がしっかり母国語として身についてくる4歳以降、特に小学生以降はもしかしたら、「わからない」に対して抵抗感を持つ可能性もあります。そのような場合も、レベルや好みに合わせて見る番組を変えてみたり、ちょっとした工夫で乗り越えられると思います! 私の息子は、ヒーローものが好きなので、そのジャンルならば言語に関係なく積極的に楽しんでくれています。
在宅時間の長さを逆手にとって、親子で無理なく英語に触れる工夫をしてみてはいかがでしょうか。
【グローバルリーダーの育て方】は、100%英語環境の保育園やアフタースクールを経営する女性社長・龍芳乃さんが、子供が世界で通じる「人間力」「国際競争力」をどう養っていくべきかを説く連載コラムです。アーカイブはこちら