仕事・キャリア

社会人デビューで差がつく「私が実践した処世術」 偉い人にこそ意見すべき理由

 最近、2019年春卒対象の就職活動が解禁されたと言うニュースを見ました。もうそんな季節なんですね。学生さんは就職活動を終えると一息…という方が多いと思いますが、社会人になってからが本番! 憧れの会社に就職出来た人もそうでない人も、入社してからどれだけ活躍できるかが重要です。活躍の場を勝ち取り、どんどん広げて行きたいものですね。今回はそんな皆さんに贈る、私が実践してきた処世術についてお話ししたいと思います。

一番大事なのは…

 まずは基本中の基本ですが、やはり笑顔に勝るライフハックはないです。

 受付嬢は、受付にいるときはもちろん常に笑顔で接しています。しかし、“表舞台”だけでしか笑顔を見せない受付嬢は、同じ企業で働く社員から信頼は得られません。

 一方、受付以外の場所でも笑顔で接している様子を見ると、人は「この姿が本質なのだな」と感じるものです。いつどんな場面でも笑顔で居られるメンタルは、ビジネスシーンにおいて最強の強みになると思います。

 「辛い時こそ2倍の笑顔」

 大学の時にソーシャルスキル(社会技能)を教える先生から学んだ言葉です。この言葉は今でも私の心に大きく残っています。そして、辛い時にいつも思い出し、自分の“精神安定剤”となっています。

とにかくコミュ力を求められる社会人

 就活生は耳にタコができるほどよく聞く言葉でしょうが、仕事ではとにかくコミュニケーション力が求められます。それは受付嬢時代も、起業してからもそうでした。

 受付嬢時代は深くコミュニケーションを取る機会は少なかったですが、良い印象を抱いてもらったり良い関係を築いたりするにはどうすれば良いだろうと常日頃から考えていました。

 そこで意識し出したのが、「相手に興味を持ち、それを示す」という事です。

 誰でも自分に興味を示してもらえたり、自分にまつわることを覚えてもらえていたりすると、その相手に対して好感を持ちますよね。それは仕事上の信頼にも繋がります。

 「この人はささいな事も覚えている。きっと仕事でも細やかな気配りが出来るんだろう」と認識してもらうことができます。「安心して仕事を頼める存在」になる近道となります。

“偉い人”にこそ意見を言う

 コミュニケーション能力のことを、差し障りなく平和に接することだと勘違いしている人はいませんか? これは役員クラスの方と接する際に意識していたことですが、「目上の人が相手でも、自分の言葉で自分の意見を伝える」ことは挑戦的なようで有効な裏技です。

 地位や役職が高い“偉い人”を目の前に、自分の意見を求められた時、思わず遠慮して何も言えない……というシーンはよくあると思います。しかし、それはチャンスです。

 きちんと意見を述べることにより、自分の仕事に対してきちんと向き合えているという印象を持ってもらえます。周りの意見に同調するだけの人は求められません。きちんと意見することで、その先のコミュニケーションも生まれます。そうすると、逆に役員の方から意見を求められるようになるなんてことも起こり得るのです。目上の方の信頼・応援をつかめることは非常に心強いです。

社会人が意外にできていない挨拶

 最後に、自分から挨拶すること。ビジネスパーソンにとって初歩的なことですが、意外と出来ない・出来ていないのがこう言った事なんですよね。

 このような当たり前のことをきちんと実践する事で、周りからの信頼が着実に積まれていきます。処世術と言うと大袈裟なスキルを想像しがちですが、日々の積み重ねが自然と処世術になっていくものだと思います。

 これまでのこと、全てに共通すること。それは「相手の立場になってみて、されて嬉しいことを積み重ねる」。これが、私が考えた究極の処世術です。良ければぜひ実践してみてください!

橋本真里子(はしもと・まりこ) ディライテッド株式会社代表取締役CEO
1981年生まれ。三重県鈴鹿市出身。武蔵野女子大学(現・武蔵野大学)英語英米文学科卒業。2005年より、トランスコスモスにて受付のキャリアをスタート。その後USEN、ミクシィやGMOインターネットなど、上場企業5社の受付に従事。受付嬢として11年、のべ120万人以上の接客を担当。長年の受付業務経験を生かしながら、受付の効率化を目指し、16年にディライテッドを設立。17年に、クラウド型受付システム「RECEPTIONIST」をリリース。

【元受付嬢CEOの視線】は受付嬢から起業家に転身した橋本真里子さんが“受付と企業の裏側”を紹介する連載コラムです。更新は隔週木曜日。アーカイブはこちら