西鉄、来月から福岡市近辺で路線バス減便

 
事業計画を発表する倉富純男社長

 グループで国内最多のバス車両を保有する西日本鉄道は23日、運転手不足のため、福岡市近辺を走る路線バスを3月のダイヤ改正で減便すると明らかにした。慢性的な人手不足からトラック運送などへの影響が懸念されているが、旅客運輸サービスでも深刻な実態が顕在化してきた。

 西鉄によると、JR博多駅や天神地区を経由して福岡市街地を循環するバスを廃止し、本数を減らして往復便に切り替える。このほか、同市近辺を走る複数の路線で最終便の運行時間を早める。西鉄は「便数の多い都市部を中心に見直し、利用者への影響が出にくいようにする」としている。

 西鉄グループの運転手数は約4200人。西鉄は満21歳以上だった採用対象を高校新卒者にも広げるなど、人材確保を図ってきたが、効果は限定的だった。

 運転手不足をめぐっては、とさでん交通(高知市)も4月から減便を実施する計画。国土交通省の担当者は「人材不足は全国のバス事業者で深刻化している」としている。