外国映画の音楽使用料増額求めるJASRAC 映画業界は動揺
日本音楽著作権協会(JASRAC)などが8日、外国映画を上映する際の音楽使用料の是正を求めた件で、劇場関係者からは「死活問題だ」という声が上がるなど、映画業界には動揺が広がった。
外国映画輸入配給協会に加盟するある社の幹部は、「日本の音楽使用料が、欧州と比べてかなり低いのは確かだ」と、指摘する。
興行収入約255億円を記録したアニメ映画「アナと雪の女王」(平成26年)の場合、現行の「1作品につき一律18万円」では、興収の0・0007%にすぎず、欧州の水準とは大きく異なる。
JASRAC側は興収の1~2%に是正するよう求めているが、この幹部は「その基準では経営が成り立たない劇場や配給会社が出るので、到底受け入れられない。劇場数や上映回数などで、使用料に差をつける方向で交渉したい」と話す。
入場料への影響については、「今の料金は『お客が払えるぎりぎりの金額』と認識している。業界全体で入場料金に跳ね返らないよう努力する」として、値上げは避けたいとの考えを示した。
JASRACは、上映スクリーン数などから算出される日本映画の音楽使用料についても、「このままで良いとは思っていない」としており、この問題は今後、日本映画にも飛び火する可能性がある。
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