ダイキン、職場ストレス常時計測 快適職場づくりに 7月から実験開始

 
職場のストレスなどを調べる実証実験に使う、ベルト装着型の計測機器

 ダイキン工業など3社は、心拍や呼吸といった生体情報を常時モニターすることで職場でのストレスの度合いや睡眠への影響を調べる実証実験を7月に始める。市役所や金融機関の協力も得て、働く人にベルト装着型の計測機器を原則一日中着けてもらい、数カ月にわたって情報を収集。快適な職場づくりや健康に役立つ商品の開発につなげたい考えだ。

 実証実験に取り組むのはダイキンと、情報セキュリティー会社のソフトバンク・テクノロジー(東京都)、「洋服の青山」を展開する青山商事傘下の青山キャピタル(広島県福山市)。計測機器はダイキンが開発した。空気圧の変化に反応するセンサーで体のわずかな振動をリアルタイムで検知でき、心拍の間隔の揺らぎからストレス度を分析したり、睡眠の深さを計測したりできる。

 こうした情報はインターネット上のクラウドに蓄積され、解析される。実験には青山の社員や福山市の市役所、金融機関の職員など約300人が参加する予定で、職種の違いや職場環境がストレスにどう影響するかを調べ、睡眠との相関関係を明らかにする。

 ダイキンは「頭脳労働で生産性向上につながる空調技術の開発につなげたい」と説明。オフィス内の温度や湿度などをストレス軽減に最適な状態にすることを目指す。システムの管理を担うソフトバンク・テクノロジーは「生体情報は最高級の個人情報であり、収集から分析まで安全な基盤を整備する」としている。