女性の満足度高めるスポーツクラブ 「次はこのポーズをしてみましょう」

 
女性向けフィットネスの「Rico」。人気のハンモックを使ってヨガをする「アンティグラビティフィットネス」のレッスン=大阪市中央区のフィットネススタジオ「Rico」(南雲都撮影)

 女性専用のスポーツクラブや女性向けトレーニングメニューが人気だ。男性の目を気にすることなく、トレーニングに打ち込めるほか、多くの女性が悩む冷え性の改善やダイエット効果が期待できることが受けている。各スポーツクラブは女性の満足度を高めるサービスなどを用意し、利用者の獲得を図っている。(中山玲子)

 男性の視線なく

 「普段使わない筋肉がすごく伸びてる」

 「次はこのポーズをしてみましょう」

 大阪の繁華街・心斎橋にある大阪ガスグループのオージースポーツが運営する女性専用のスポーツクラブ「Rico(リコ)」には女性たちの声が響く。

 オージースポーツは関西などでスポーツクラブ「COSPA(コスパ)」を展開しているが、利用者は40代後半から50代が中心。より若い層を取り込もうと昨春、リコをオープンした。

 リコは会員はすべて女性で、「男性の目を気にせずトレーニングできる」(受講の女性)のが売りだ。

 さらに、トレーニングメニューにも工夫を凝らす。

 天井からぶら下がったハンモックのような布を使って体をひねらせたりするトレーニングは、体のゆがみを矯正し、美しい姿勢づくりにつながる。スポーツクラブでの導入は少ないこともあり、「すぐに予約が埋まる」(担当者)ほどの人気。電気の刺激で筋肉を収縮させる機器を使ったメニューもダイエット効果を期待され、好評という。

 美容家電を用意

 施設も女性専用ならではのつくりになっている。スムージーが飲めるコーナーが設けられ、化粧室には高級ドライヤーなどの美容家電も用意されている。月会費はレッスンを4回まで受けられるレギュラー(9720円)から、VIP(2万1600円)まで4段階。VIPなら、トレーニングをしない日でも無料で化粧室やシャワーを使える。

 グンゼは今年7月に開業したスポーツクラブ「グンゼスポーツ京都八幡」(京都府八幡市)で、ヨガやピラティスなどの女性専用メニュー(週1回コースで月額7560円)を設けた。

 一般的なトレーニングルームは大きな窓があり、室内の様子が見える場合が多い。グンゼスポーツ京都八幡の女性専用ルームは窓をなくして更衣室とも直結させることで、「化粧くずれを気にする女性でも安心」(担当者)な仕様にし、トレーニングに打ち込めるようにしている。

 関西でも人気に

 米国発祥で日本全国に1700カ所以上の女性専用スポーツクラブを運営しているのは「カーブス」だ。

 機器を使った運動と足踏み運動を交互に行う独自のトレーニングが特徴で、一通りのメニューをこなすのにかかる時間は30分と短い。費用も何度通っても月額7236円と、「気軽に始められる」(同社)とあって、将来の健康不安を抱える50~70代を中心に会員数は約10年前の日本進出から右肩上がりで伸び続け、現在は75万人を超える。

 女性専用スポーツクラブは首都圏で先行して増加してきたが、関西でも徐々に人気に火が付きつつある。