企業の過半数が人手不足訴え 休暇減や人間関係悪化の例も
労働政策研究・研修機構(東京)が実施した人手不足に関する調査で、人手不足を訴える企業は52.1%に上り、このうち93.3%の企業で休暇の減少や人間関係の悪化など職場への影響が出ていることが分かった。
調査は、1~2月に従業員30人以上の企業1万2000社を対象に実施。約2400社が回答した。
具体的な影響を複数回答で尋ねたところ、最も多かったのが「時間外労働の増加や休暇取得数の減少」(69.8%)だった。「従業員間の人間関係や職場の雰囲気の悪化」(28.7%)と「教育訓練や能力開発機会の減少」(27.1%)が続き、「従業員の労働意欲の低下」や「離職の増加」も多かった。プラスの影響として「労働生産性の向上」(21.3%)もあった。
人手不足が生じている企業の61.9%は、応募条件を緩和したり募集時の賃金を上げたりするなどの対策を実施したが、不足を緩和できたと回答したのは40.2%にとどまった。
同機構の担当者は「人手不足で職場環境が悪化している。長時間労働が続いて休暇が取れずに離職につながるといった悪循環に陥るケースも出ている」と指摘している。
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