地方銀行が外国人労働者の預金口座管理の厳格化に取り組んでいる。在留期限の過ぎた技能実習生や外国人留学生の帰国時などに、口座を解約せずインターネットなどで不正に売却するケースが後を絶たず、所在不明になった場合は強制解約も辞さない構えだ。マネーロンダリング(資金洗浄)や特殊詐欺などの温床にもなっており、外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法の施行で対策が喫緊の課題となる。
強制解約の同意
「帰国する時に転売され“オレオレ詐欺”に使われることもある。取引先企業で働いているなら、勤務実態もきちんと確認する」
千葉興業銀行(千葉市)の担当者はこう指摘する。
同行は3月から外国人が口座を開設する時に在留期間満了日の「届出書兼同意書」の提出を求めている。名前や住所、在留期限、勤務地・留学先を明記してもらうほか、期間満了時に所在が分からない場合は勤務地・留学先へ照会した上で取引停止や強制解約の可能性もあると指摘している。
1月から同様の取り組みを始めた横浜銀行(横浜市)でも、在留期間の満了日や特別永住者証明書の有効期間が過ぎても更新を届け出ない場合は、強制解約を含む「取引制限」に異議を申し立てないとの同意を口座開設時に取り付ける。