車の人混み突入 地域で自衛「柵」 警察対応に限界、費用など課題も (1/3ページ)

年明け直後、車が暴走した竹下通り。車進入防止のポール設置が検討されている=東京都渋谷区(緒方優子撮影)
年明け直後、車が暴走した竹下通り。車進入防止のポール設置が検討されている=東京都渋谷区(緒方優子撮影)【拡大】

 東京・原宿の竹下通りで軽乗用車が1日未明に暴走し、通行人8人をはねた事件は、殺人未遂容疑で逮捕され鑑定留置中の日下部(くさかべ)和博容疑者(21)の事件直前の動きなどから、場当たり的に犯行場所を選んだ可能性が強まってきた。竹下通りでは費用面などから一度は見送った車進入防止のポール設置を再び検討。車突入の犯罪が国内外で後を絶たない情勢に自治体や商店街などで自衛策を講じる動きが広がっており、専門家も「警察だけでは限界がある」として地域の取り組みを促している。

 世界中のあめやグミなどを量り売りで買え、若者に人気のある竹下通りの菓子店。事件から20日以上が過ぎても、車が衝突して破損した正面のガラス部分には緩衝材がビニールテープで固定されたままだ。

 「街は少しずつ元通りになっている。でも、ここを通ると事件が頭をよぎる」。現場近くの飲食店で働く女性(26)は話す。

 場当たり的犯行

 日下部容疑者の当初の供述などによると、「死刑制度を許している国民が許せない」として無差別に人を襲うことを決め、当初は明治神宮の初詣客を狙い、高圧洗浄機で灯油をまいて火をつける“火炎放射”を計画。ところが洗浄機にうまく灯油を入れられず、交通規制で明治神宮に近づけなかったことなどから、別の場所で車を暴走させる計画に変更したとみられる。

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