一般事業者が「利用者が自己の判断に基づいて自ら商標登録出願書類等を作成することを支援するソフトウェアを有料で提供する」ことが弁理士法第75条(弁理士又は特許業務法人でない者の業務の制限)に違反するか-。特許庁所管の法令に関する初の「グレーゾーン解消制度」を活用した照会で、特許庁は「当該事業は、弁理士法第75条に違反しない」(特許庁弁理士室)との見解を示した。この見解によれば、今後、知財制度を活用する一般利用者の利便性向上に向けた民間サービスの開発がしやすくなりそうだ。
確認申請したのはオンライン商標登録サービスをインターネット上で提供するベンチャー企業、Cotobox(コトボックス、東京都港区)の五味和泰社長だ。知財の専門家ではない一利用者にとって知財は難解で手続きや管理も面倒だが、最新技術の活用で分かりやすく、効率的で便利なサービスの開発と普及を目指している。
「コトボックスのユーザーの声を聞いていると、自ら出願書類を作成したいというニーズがあることが分かり、独自に開発した出願書類の作成システムで事業化を考えたが、国家資格者である弁理士の専権業務を侵害するのでは、と言われる可能性もあったので、明確にしておきたかった」と五味社長は話す。実は弁理士資格を持っているが、今回は一般事業者の立場で確認した。