品質不正、日本メーカーに共通点 ガバナンスの欠如、コストダウンで現場負担の増加も (2/3ページ)

記者会見で謝罪するKYBの斎藤圭介取締役専務執行役員(右)とカヤバシステムマシナリーの広門茂喜社長=19日午後、国交省
記者会見で謝罪するKYBの斎藤圭介取締役専務執行役員(右)とカヤバシステムマシナリーの広門茂喜社長=19日午後、国交省【拡大】

 昨年10月に神戸製鋼所が公表して以降、不正に手を染めていたことが発覚した企業は三菱マテリアルや東レ、日産自動車、SUBARU(スバル)と枚挙にいとまがない。

 多くの不正で直接的原因として挙げられるのが、納期順守の重圧だ。

 KYBの不正は少なくとも2003年に遡(さかのぼ)り、検査データ改竄(かいざん)の手口を検査員が引き継いでいた。不適合になると製品の分解や調整に時間がかかってしまい、納期を守れなくなると判断したとみられる。納期順守の重圧は、神鋼や三菱マテリアルの不正でも原因の一つに挙げられている。重圧は、深刻なモラル低下や「基準から多少、外れてもよい」という甘えをもたらした。

 KYBには、免震・制振装置の性能をチェックする検査員が1人しかいなかったという。コスト削減を優先する中で人手不足が常態化し、現場に重い負担がのしかかっていた可能性が高く、事実なら適切な人員配置を怠った経営陣の責任は重い。

 舞台は非主流部門

 一方、不正の多くは非主流部門が舞台となった。

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