スカイツリーにも装置使用 KYB免震不正 本格調査で影響拡大 (1/2ページ)

 油圧機器メーカーKYBによる免震・制振装置のデータ改竄(かいざん)問題で、東京スカイツリー(東京都墨田区)や原発の関連施設でKYBの装置を使用していることが17日、明らかになった。東京五輪・パラリンピックの競技会場や、大阪など各地の都道府県庁舎にも設置されていた。企業や自治体は使用装置がデータ改竄されたものかどうか本格調査を始め、影響が広がった。KYBは納入先への連絡を急ぐとともに、交換や補償を求められた場合の検討に入った。

東京スカイツリー。タワーの揺れを抑えるシステムにKYBの装置を使用していることが分かった =東京都墨田区

東京スカイツリー。タワーの揺れを抑えるシステムにKYBの装置を使用していることが分かった =東京都墨田区

 大阪府の松井一郎知事は記者団に「不良品だ。補償してもらう」と述べ、交換などを求める考えを示した。菅義偉官房長官は記者会見で「誠に遺憾だ」と批判し、国土交通省に対応を指示したことを明らかにした。

 問題の装置は油の粘性を利用して建物の揺れを少なくするオイルダンパーで、KYBと子会社が基準の範囲内に収まるようデータを改竄していた。地震の際に設計通りの性能が発揮できず、建物への影響が想定より大きくなる恐れがある。

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