はやぶさ2、小惑星リュウグウに到着 秋から本格探査 生命の起源に挑む (1/3ページ)

はやぶさ2と小惑星リュウグウのイメージ(JAXA提供)
はやぶさ2と小惑星リュウグウのイメージ(JAXA提供)【拡大】

 小惑星探査機「はやぶさ2」が27日、目的地の小惑星「リュウグウ」に到着したと宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発表した。地球出発から約3年半に及んだ往路の航行が終わり、秋から本格的な探査を開始。1年半をかけて生命の起源の謎に挑む。

 はやぶさ2は27日午前、到着に向けてエンジンを逆噴射させる最後の軌道修正を実施。高度約20キロの位置でリュウグウと並走する軌道に入ったことを示す信号が地上に届き、到着が確認された。

 太陽光を浴びて常に発電できるこの位置で、探査期間の大半を過ごす。今後は高度を下げて地形などを詳しく観測し、9月にも着地して地表の物質を採取。来春には人工的にクレーターを作り、地下の物質を世界で初めて採取する計画だ。

 リュウグウには生命の材料である有機物や水が豊富に存在するとみられる。採取した物質を持ち帰り分析することで、生命の材料は小惑星などによって地球に運ばれたとする仮説の検証を目指す。

 はやぶさ2は平成22年に小惑星の物質を初めて地球に持ち帰った探査機「はやぶさ」の後継機。初代でトラブルが相次いだことを受け、多くの改良を行った。

 26年12月に地球を出発し、機体を加速するイオンエンジンを噴射して航行。太陽と地球の間を10往復する距離に相当する32億キロの往路を無事に終えた。

探査の狙いをQ&Aで説明