【生かせ!知財ビジネス】20年に特許分析シェア1位目指す

パテントサイト・ジャパン齋藤昭宏社長
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 □パテントサイト・ジャパン 齋藤昭宏社長

 パテントファミリー(関連特許群)や引用関係に着目して特許や特許ポートフォリオの資産価値をグローバルベースで評価する指標「Patent Asset Index」の開発と提供で知られる独パテントサイト(ボン)がこのほど、世界的な情報・調査サービス大手、米レクシスネクシスの傘下に入った。日本法人の齋藤昭宏社長に国内での事業方針などを聞いた。

 --買収の話はいつから

 「昨年7月頃からパートナーシップを組もうという話し合いが始まり、その後、もっと関係を密にしようという提案があった。買収の話になったのはごく最近だ」

 --レクシスネクシスは分析分野を強化したかった

 「そうだろう。今後の大きな開発テーマとして機械学習や人工知能(AI)の技術を使った検索や分析の自動化が考えられる。レクシスネクシスには特許だけでなくビジネス情報など、分析の素になる多彩で膨大なデータがある。われわれの技術力でさまざまな分析ができる」

 --Patent Asset Indexなどの営業展開はどうなるのか

 「知財分野では『レクシスネクシスIP』というビジネスブランドに位置付けられることになるだろう。日本ではレクシスネクシス・ジャパンと連携する方向だ」

 --ライバルはどこか

 「ほとんどない。世界の主要2000社について、各社のポートフォリオを毎週、独自に更新している。買収などで特許所有者が変更された情報を企業の発表や記事などから集め、名寄せして反映する。全て手作業の泥くささだ。ここまでやれる競合先はなかなかない」

 --日本法人の今後の目標は

 「われわれのサービスは、海外ではさまざまな分野で使われているが、日本では2年前の進出以来、知財部門が100%だ。2020年には特許分析の領域で国内シェアナンバーワンを取りたい。顧客数では現在の十数社を21年には100社まで伸ばしたい」

 --狙う業種は

 「会社設立の経緯から化学メーカーでの経験値が高く市場として重視しているが、電機、自動車、医薬、メディカルなどのトップ10社を獲得したい。今後も期待してほしい」(知財情報&戦略システム 中岡浩)

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【プロフィル】齋藤昭宏

 さいとう・あきひろ 日本HPコンサルティングマネージャー、ソニーのB2B事業子会社社長、ソニー副事業部長などを経て、2017年10月からパテントサイト・ジャパン社長。59歳。静岡県出身。