他人のパソコンのCPU(処理装置)を不正にプログラムで動かし、仮想通貨の獲得手段であるマイニング(採掘)を行わせたとして、千葉県警は14日までに、不正指令電磁的記録保管の疑いで、30代の男性を千葉地検に書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、男性はアイドルなどに関する趣味のホームページを開設しており、アクセスしたパソコンでは「コインハイブ」とよばれるプログラムが自動的に起動。仮想通貨「Monero(モネロ)」のマイニングを行わせて、利益を得ていたという。
コインハイブをめぐっては、一部の漫画の海賊版サイトにアクセスするとスマートフォンやパソコンが同様のマイニングに利用され、CPUに高負荷がかかることが情報セキュリティー会社の調査で判明。端末の通信速度が著しく低下したり、バッテリーが急減する場合があるという。
全国でも同様の犯行が複数確認されており、神奈川や埼玉、茨城などの県警が合同捜査本部を設置し、捜査に当たっていた。
マイニング 仮想通貨の取引の正確性を保つための計算に加わる行為。仮想通貨はウェブ上に取引記録を残すことで信頼性を保っているが、膨大な計算作業が必須となる。計算作業を行うと仮想通貨が発行される。