学校法人「森友学園」(大阪市)の補助金詐取事件で、詐欺罪などで起訴された学園前理事長の籠池(かごいけ)泰典被告(65)と妻の諄子(じゅんこ)被告(61)が25日午後保釈され、同日午後8時過ぎ、大阪市内で記者会見した。籠池被告は「私は国策勾留と認識している。妻は全くの冤罪。人権蹂躙の状況で長く勾留されていた」と述べた。
両被告は昨年7月に大阪地検特捜部に逮捕されて以降、約10カ月にわたり大阪拘置所(大阪市都島区)で勾留されていた。昨年11月に弁護人が保釈請求をして却下されたが、5月に2度目の請求をし、25日に認められた。
両被告は、大阪府豊中市の国有地で開校を目指した小学校建設をめぐり、国の補助金約5600万円を詐取したほか、学園運営の幼稚園などへの大阪府と市の補助金計約1億2千万円をだまし取ったとして、詐欺などの罪で起訴された。
両被告が逮捕されて以降、財務省が今年3月、森友学園への国有地取引に関する決裁文書を改竄(かいざん)していたことを公表。今月23日には昨年2月の国会で、佐川宣寿(のぶひさ)理財局長(当時)が「廃棄した」と答弁していた交渉記録を一転して国会に提出するなど、波紋が広がっている。