買収で嫌われず、「時代のキーワード」に投資し成功 稀代の投資家、孫正義の法則 (1/6ページ)

孫 正義氏1957年、佐賀県生まれ。ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長。現在、英国半導体設計大手・アームホールディングスchairman、米国通信大手・スプリント取締役会長。中国オンライン通信販売大手・アリババ・グループHD取締役などを務める(PRESIDENT Onlineより)
孫 正義氏1957年、佐賀県生まれ。ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長。現在、英国半導体設計大手・アームホールディングスchairman、米国通信大手・スプリント取締役会長。中国オンライン通信販売大手・アリババ・グループHD取締役などを務める(PRESIDENT Onlineより)【拡大】

 2017年5月、孫正義は世界の10兆円を超えるソフトバンク・ビジョン・ファンドの創設を発表した。世界最先端の技術に積極的に戦略的に投資をするという。これまでもヤフー、ボーダフォン、ARMと常識を覆す投資・買収をしてきた稀代の投資家の成功法則とは--。

 読むだけで役立つ、孫正義の投資法

 時価総額10兆円弱で日本4番目の時価総額を誇るソフトバンクグループ(2017年9月4日時点)。その主要事業で、創業者・孫正義氏が自ら起こした事業はほとんどない。その多くがベンチャー企業への出資や買収などで既存のビジネスに投資し、成長させてきた。そんな孫氏の投資手法をSBIインベストメントの元ファンドマネジャーで、現在日本創生投資の三戸政和社長が解説する。

 私がビジネスパーソンのみなさんにご提案しているのは、50代からの企業経営です。それは、出世していまの会社の社長になれというのではなく、起業をしてくださいといっているのでもなく、「世の中にすでにある企業をご自身の手で買収して社長となり、第二の人生として会社経営をしてください」という提案です。

 私はいま、日本創生投資という会社で中小企業を対象にした事業承継・事業再生ファンドを運用しています。2005年から11年まで、ソフトバンク・インベストメント(現SBIインベストメント)という会社にいました。孫正義さんと北尾吉孝さんがつくったベンチャー投資ファンドの運用会社です。

孫氏が展示会と出版社を買収した理由