必殺技を繰り出すウルトラマンや笑顔のドラえもん-。人気キャラクターが絵付けされた九谷焼のマグカップや皿などの商品が好評だ。売り出したのは地元販売業者でつくる「九谷焼彩匠会」。関係者は「九谷焼を知らなかった人にも良さや魅力を着実に伝えられている」と、手応えを感じている。
江戸時代に石川県南部で生まれた九谷焼は鮮やかな色絵が特徴で、美術品や日用品として親しまれてきたが、生活様式の変化などで生産は減少傾向。同県能美市によると、生産額は平成2年度の165億円をピークに、28年度は48億円にまで下がった。
「新しいことを始めなければ衰退してしまう」。彩匠会は、現状に危機感を持った同市などの12業者が22年に結成。ウルトラマンの脚本を数多く手掛けた故佐々木守さんの出身地であることを生かした町づくりを進める同市と協力し、コラボ商品の開発を円谷プロダクション(東京)に持ち掛けた。