水戸藩出身鍛冶の銃発見 長野・上田の山家神社

長野県上田市の山家神社の宝物庫で発見された、杉山弥一郎製造の火縄銃。左は鉄砲研究家の沢田平さん、右は同神社の押森慎宮司=12日午後、長野県庁
長野県上田市の山家神社の宝物庫で発見された、杉山弥一郎製造の火縄銃。左は鉄砲研究家の沢田平さん、右は同神社の押森慎宮司=12日午後、長野県庁【拡大】

 大阪市の鉄砲研究家、沢田平さん(82)は12日、江戸時代末期に大老、井伊直弼が暗殺された桜田門外の変に加わった水戸藩出身の鉄砲鍛冶、杉山弥一郎(1824~61年)が製造した火縄銃が、長野県上田市の神社で発見されたと発表した。

 沢田さんによると、銃は長さ約1メートルで、口径は19ミリ。上田市の山家神社の宝物庫で2015年に見つかった。神社の依頼を受け、沢田さんが顧問を務める「信州真田鉄砲隊」のメンバーらが修復したところ、刻銘が見つかった。1840~50年代の製造とみられるが、どのように使われていたのかは分かっていない。

 沢田さんは「杉山弥一郎という製造者がはっきりした銃は珍しく、価値は高い」と強調。山家神社の押森慎宮司(34)は「どういう経緯で宝物庫にあったのか、神社の書類などを詳しく調べたい」と語った。