■透明性高め理解、支持へ
--国の安全保障にとってエネルギーの確保は重要な問題です。日本では東日本大震災後に原子力発電所のすべてが運転を停止し、今も再稼働が数基にとどまっているため、輸入化石燃料による火力発電が9割程度を占めています。日本のエネルギーの現状をどうみていますか
「資源小国の日本はエネルギー自給率が先進国の中でも極端に低く、石油やLNG(液化天然ガス)など燃料の海外依存度が高くなっています。それもこれまでは世界一の国との同盟関係を背景に、比較的安く、安定的に調達できました。しかし、問題は同盟国・米国の力が相対的に落ちてきており、最悪の場合は今後、同盟国にも依存できないこともありうるということです。とくに『アメリカ・ファースト』と言っているトランプ大統領とは、一緒の方向に進んでも、とにかく車間距離を十分にとるべきです。国際政治のさまざまな要因によって日米関係が不安定化するのに備え、日本は多様なエネルギーの選択肢を持つべきでしょう。それと、震災の後、省エネ、節電が強く叫ばれ、実行されましたが、いざというときに備える省エネは重要で、もったいない精神でエネルギーを大切に使わないといけないと思っています」