式典再開は約8分後。会場はざわついていたが、議長のあいさつが再開され、来賓紹介や祝電披露などと厳かに進行した。
つくば市によると、ステージ上に来賓として石井啓一国交相(衆院比例北関東ブロック)がいたため、会場内には警察官が待機。昨年の水戸市の式典が混乱したことなどを受け、警察官は昨年より多い15人以上、民間警備員も昨年より増やしたが、混乱を防げなかった。
式典の混乱について、新成人の男性(20)は「多くの人が久しぶりに友達に会うことを楽しみにしていた。ほとんどの人は大人になる自覚も持っている」と憤りを隠せない様子。晴れ着姿の女性(20)は「両親が精いっぱい、私の晴れ姿を見ようと着物をそろえてくれたのに…」と唇をかんでいた。
逮捕者まで出た晴れのセレモニー。式典直後、五十嵐市長は「(式典が)中断したのは事実で、責任を取るのが大人だ」と述べた。
ただ、つくば市は8日、市長自身が7日朝に市内で乗用車を運転中、追突事故を起こしたと発表。けが人はなかったが、五十嵐市長は「安全運転を率先する立場でありながら、事故を起こして申し訳ない」とする謝罪のコメントを出した。
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茨城県内では8日、39市町村で新成人の門出を祝う成人式が開かれた。県教育委員会によると、平成28年度の県内の新成人は2万9623人。前年度から739人増えたが、2年連続で3万人を下回った。つくば市の成人式で混乱が生じたが、新成人の逮捕者が出るなど昨年の式典が荒れた水戸市は大きな混乱もなくセレモニーを終えた。常総市など5市村では7日に式典が開かれた。