とはいえ、多数を占める健康な高齢ドライバーにとって、「窮屈な時代」になったのは想像に難くない。今後もハンドルを握り続けたいと考える高齢者は関西でも多く、各地の自動車教習所で開かれる高齢者講習は盛況となっている。
講習を週5回開いている泉北自動車教習所(堺市南区)では、11月末時点で75歳未満を対象とした講習は来年の3月下旬、同75歳以上は4月上旬にならないと受講できない状況だ。講習は1日に2回、一度に10人前後が受講できるというが、それでも4カ月先まで予約が埋まっているのだ。教習所の担当者は「(坂道の多い)堺市南区は車がないと移動が厳しい場所だけに、関心が高いのでは」と分析する。
箕面自動車教習所(大阪府箕面市)でも、週3回程度行われている高齢者講習が人気。75歳未満の講習は3月上旬、同75歳以上でも4月下旬まで予約がとれない状況という。
新技術で高齢者も満足?
高齢ドライバーの事故を防ぐための技術開発はどこまで進んでいるのか。
自動ブレーキ機能や衝突警報を備えた車はすでに実用化されているが、急ピッチでの研究・開発が進むのが「完全自動運転車」だ。
ハンドルやブレーキ、アクセルを運転手が操作しなくても、安全に走行することができる。車載カメラやレーダーを駆使し、周囲の車や歩行者、信号の状況を認識。衛星利用測位システム(GPS)を利用し、目的地まで安全に走行するシステム。運転席に座った高齢者の体調が急変したり、居眠り状態になったりしたとしても事故を回避できる。