一方で同居家族の不安は尽きない。調査では、80代以上のドライバーがいる家族の20%が「(運転が)とても不安」と回答。年代が上がるほど、家族の不安は大きくなっていた。
こうした意識のギャップはなぜ生じるのか。
元田氏は「運転に自信のない高齢者が免許を返納するため、自信のある高齢者しか残らないから数値が増えるとの説もあるが、私は違うと思う」と指摘。「やはり、自らの衰えを認めたくないから、強気な回答をするということだろう。私も65歳になり、高齢者の仲間入りをしたのでその気持ちはよく分かる」と語る。
8年前の調査だが、傾向は今も変わらない。「各種の意識調査でも同様の結果が出ている」(元田氏)という。
高齢者講習に4カ月待ちも
高齢化に伴い、高齢ドライバーは今後も増える見通しだ。
警察庁のまとめによると、65歳以上の運転免許保有者数は過去10年間で約730万人増加。昨年末時点では約1710万人にのぼる。
認知症が原因とみられる高齢者の事故が相次いでおり、国は対策強化を急いでいる。
来年3月には改正道交法が施行。検査で「認知症の恐れ」と判定された75歳以上の運転者全員には、医師の診断が義務付けられ、そこで認知症と診断されれば免許停止か取り消しとなる。