【ｅｃｏ最前線を聞く】太陽光パネルを効率よく有価物に分解 (2/3ページ)

　－－市川環境エンジニアリングは廃棄物処理業界でも規模の大きなことで知られている

　「過去に家電や商品、容器包装などの各種リサイクルを手がけてきた経緯もあり、将来、大量廃棄が想定される太陽光パネルをリサイクルする態勢を整えたいと考えた。太陽光パネルのリサイクルには、リユース（再利用）とリサイクル（再循環）を一貫で受け入れられるプラントが必要だが、残念ながら市川環境エンジニアリングにはそうした設備がない。一方、産業廃棄物処理を手がけるリサイクルテック・ジャパン（名古屋市港区）は、１４年に太陽光パネルのリサイクル専用設備を導入していた。太陽光パネルを破砕できる専用の装置も必要となるため、破砕機メーカーの近畿工業（兵庫県三木市）、中古パネルのリユースでノウハウを持つネクストエナジー・アンド・リソース（長野県駒ケ根市）の４社でＲ２Ｓを立ち上げた」

　◆３０年には廃棄量６万トン

　－－太陽光パネルの廃棄量の見通しは

　「太陽光発電協会（ＪＰＥＡ）の予測によると、１８～１９年頃からパネルの廃棄量が増え、３０年にはパネルの廃棄量が６万トンに達すると試算されている。ただ出荷後、２０～３０年経過したら廃棄される試算なので現実の廃棄とのギャップがある。実際に、強風や豪雪による破損や大雨での水没などによる廃棄太陽光パネルはすでに発生している。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づく買い取り価格が下がっており、パネル面の清掃などのメンテナンス費が発生するため、『元が取れれば太陽光発電をやめたい』と考えるオーナーも少なくない」