電通、午後10時に全館消灯で深夜残業防止 過労自殺受け改善策

 電通(東京)は24日、昨年12月に過労自殺した新入社員の高橋まつりさん=当時(24)=が労災と認定されたことを受けた労務管理の改善策の一環として、深夜の残業を防止するため午後10時から全館を消灯する。

 消灯は翌日午前5時までで、本社のほか関西支社(大阪市)などすべての事務所が対象。ほかにも、月ごとの残業時間の上限を11月から5時間引き下げ、私的な情報収集などを理由とした在社を禁止するなどの対策を取り、長時間労働の抑制を図る。

 遺族側によると、高橋さんは本採用になった昨年10月以降に残業時間が急増。労災認定した三田労働基準監督署は月105時間の残業があったと判断した。

 各地の労働局はこれまでに、電通の本社などを労働基準法に基づき立ち入り調査している。