カラオケに参加した学生は全員100点。でも、発表時の声が小さい学生は減点-。神戸の私立女子大で、そんな信じがたい成績評価が行われていたことが明らかになった。きっかけは、問題行動を繰り返して女子大を解雇された元准教授が、運営法人を相手に地位確認などを求めた訴訟。カラオケボックスでのテスト実施などを「裁量の範囲内」と主張したが、神戸地裁は6月、「教員としての適格性の欠如は矯正不可能」として元准教授を“全面敗訴”とする判決を言い渡した。「大学全入時代」といわれる昨今、学生の学力低下が叫ばれるが、教員の質の低下も深刻かもしれない。
「どのように成績を付けているのか」
まずは地裁が認定した事実や訴訟記録をもとに、元准教授が解雇された経緯を振り返ってみる。
平成26年4月。神戸市内のある女子大に、前年度に開講された英語能力テスト「TOEIC」の対策講座をめぐり、成績評価への不服を申し立てる学生からの投書が届いた。
《テストに出席していない子が単位を取れて、私は落とされました。授業中に当てられた際、声が小さければ欠席扱いにされていました。最後の授業はアイスパーティーをして終わりました。どのように成績を付けているのか不明です》