北九州市立自然史・歴史博物館などの研究グループは1日、インドネシア東部の西ティモールで約2億3千万年前(三畳紀後期)の地層から見つかったシーラカンスの化石が、背びれのすじの数などから新種だったと明らかにした。
博物館によると、化石の推定体長は約23センチ。南アフリカやカナダの約2億5千万年前の地層で発掘済みのワイテイア属に分類される。二つの背びれのうち、頭部に近いひれのすじが9本と他の種より多かったことなどから、新種と特定した。
城西大(埼玉県坂戸市)の博物館が2013年春から展示していた化石をリオデジャネイロ州立大(ブラジル)と共同で調査した。
研究グループは、化石を保管していた大石道夫城西大教授(分子生物学)にちなんで、新種の学名を「ワイテイア オオイシイ」と命名し、1日発行の日本古生物学会の専門誌に掲載。博物館は「ワイテイア属が三畳紀を通じて世界的に分布していたことを示す、重要な発見」としている。
上野輝弥・国立科学博物館名誉研究員(魚類学)は「今回の発見は、シーラカンスの全体像を知る上でも重要」とのコメントを出した。
自然史・歴史博物館は1日から7日まで、化石を無料公開する。