米中西部オハイオ州シンシナティの動物園で5月28日、男児(3)がゴリラ舎の中に転落し、救出のためゴリラが射殺されたことについて、地元の司法当局は31日、経緯と事件性の有無について捜査を始めたと明らかにした。米メディアが伝えた。
射殺されたのは絶滅危惧種ニシローランドゴリラの雄「ハランベ」で、17歳だった。インターネット上では、男児の監督を怠ったとして両親の責任追及を求める「ハランベに正義を」と題した署名活動に30万人以上の賛同が集まっている。
一方、動物愛護団体からは子供が動物舎に入り込まないための対策が不十分だったとして、政府が動物園に罰金を科すべきだとの声が上がるなど、米社会に波紋が広がっている。
動物園によると、男児は柵をくぐり、壁を乗り越えた末、ゴリラ舎に落ちた。ハランベが男児を引きずり回したため動物園側は危険と判断し、射殺を決めた。男児は擦り傷などを負ったが、命に別条はなかった。(共同)