昨年8月末に国内最大の指定暴力団「山口組」(神戸市)から分裂した「神戸山口組」(兵庫県淡路市)について、兵庫県公安委員会が15日に暴力団対策法に基づく指定暴力団として官報に公示することが13日、兵庫県警への取材で分かった。15日午前にも指定の効力が発生し、組事務所の使用制限命令などの規制が可能になる。警察当局は対立抗争の封じ込めに向け、両団体を「特定抗争指定暴力団」に指定することも検討する。
神戸山口組の指定は当初6月が想定されていたが、分裂に伴う発砲や車両突入などの事件が約70件発生。5月に迫る主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)も念頭に、警察当局と公安委員会が作業を急いだ。分裂8カ月弱での指定は、平成20年2月に指定された九州誠道会(現・浪川会)の1年8カ月を大幅に上回る異例のスピード指定となる。
新規の指定は九州誠道会以来で、指定暴力団は全国で22団体目。指定期間は3年間で、山口組も6月23日に指定が更新される見込みになっている。
3月1日現在の構成員は、神戸山口組が36都道府県の約2700人、山口組が44都道府県の約5700人。