【視点】岐路に立つもんじゅ 規制委の要求には「解」がない (1/3ページ)

2016.2.16 05:00

 □産経新聞論説委員・長辻象平

 これまでに1兆円以上の国費が投入されてきた高速増殖原型炉「もんじゅ」(出力28万キロワット、福井県敦賀市)が運命の岐路に立っている。

 現在の原子力研究開発機構は、もんじゅの運営主体としてふさわしくないと判断されるため、半年をめどに別の運営主体を具体的に示すよう、原子力規制委員会が求めているからだ。

 馳浩文部科学相に、この勧告が出されたのは昨年11月のことなので、今年5月あたりがその期限だ。それができない場合は「もんじゅという発電用原子炉施設のあり方を抜本的に見直すこと」という最後通牒(つうちょう)も添えられている。勧告の意味するところは、限りなく「廃炉」に近い。

 長老学者の有馬朗人氏を座長とする有識者検討会が置かれ、議論を始めているが、容易に回答は見つからないだろう。

 理由は明快だ。現状では「解」が存在しない不可能問題であるからだ。

 もんじゅに詳しい日本原子力発電をはじめ、各電力会社も今の厳しい経営状態では引き受ける余裕はない。第一、民間に後始末を押しつけて一難去った、では虫が良すぎる。

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 規制委が突きつけたこの問題の解決には荒療治しか道はない。7日付の産経新聞「日曜に書く」でも提案したように、4000人を擁する原子力機構を分割し、かつての動燃(動力炉・核燃料開発事業団)と原研(日本原子力研究所)に戻し、新原研に、もんじゅの運営を担わせるのだ。

 もんじゅは、もともと動燃のものであったので、新原研は「別の運営主体」としての条件を満たす。

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