【グローバルビジネス】日米と審査情報の相互利用推進 (1/2ページ)

2015.3.12 05:00

 □欧州特許庁(EPO)長官 ブノワ・バティステリさん(64)

 --日米欧の三極特許庁長官会合が横浜市で開かれた

 「三極会合は30年以上にわたって行われてきたが、今月初めの会合では、特許申請における各国・地域の似たようなルールや慣習、手続きをどのように協調させていくかについて重点的に意見を交わした。多国間・重層的な枠組みを活用し、特許審査情報を相互に利用する『グローバルドシエ構想』の下、特許申請者が一つのファイルを作成すれば日米欧で特許が保護されるシステムの構築を目指している」

 --2014年の特許出願数は欧州特許庁(EPO)では前年比3.1%増の27万4000件と過去最高だった

 「EPOはこの数字を大変前向きに捉えている。欧州が世界的に魅力的で開放された経済圏であると認められ、技術と革新が集まる中心地となっている証しだと認識している」

 --日本は4.4%減の4万8657件と伸び悩んだ

 「厳しい経済状況を日本が経験していることを示しているのではないか。ただ、減少したとはいえ、EPOへの特許出願数全体の約18%に相当する。これは米国(7万1745件)に次ぐ2位で、日本は依然強いということだ。(18.2%増の2万6472件と)中国が急拡大しているが、出願数では日本が中国を大きく引き離しており、今後も伸びると期待されている」

 --今後、EPOと日本の特許庁が協調できる分野は

 「日本とは特許審査員の人事交流を通じ、互いの特許制度や慣習、手続きなどを学んでいる。国によって法律が異なる中で、互いの共通点や課題を見いだし、今後の協調を図るために役立てている。日本と欧州で特許出願が共通の手続きで行えるシステムを構築するには、互いに歩み寄ることが重要になる。目的の達成には時間はかかるが、着実に進めていきたい」

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