紛争地で活動する、日本国際ボランティアセンターの谷山博史代表理事は「仲間が武装勢力に拘束されたら、最初にやることは『軍隊の突入作戦はやめてくれ』とお願いすること。人質の解放で成功するのは、九分九厘が交渉によるものだ」といいます。何でも軍事対応というのは、あまりに愚かです。
この機に乗じて、自衛隊の海外での軍事活動を拡大すれば、自衛官だけでなく、海外の日本人へのリスクも大きくなっていく。そんな道を進んでいいのでしょうか。
◆テロも報復戦争もない世界を
後藤健二さんは紛争地域の取材を続けながら、子供たちの命の大切さを訴えるメッセージを送り続けました。ブログでは「小さな心と身体に、背負いきれないほどの大きな重荷を背負わせてしまう。それが戦争」と書き込んでいます。こうした思いを無残に打ち砕いたISの蛮行に怒りが込み上げてきます。
そして、これをきっかけに、自衛隊の海外での軍事活動を拡大することも許されません。テロも報復戦争もない世界をつくることが、戦争を憎んだ後藤さんたちの無念にこたえる道ではないでしょうか。
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【プロフィル】小池晃
こいけ・あきら 1960年生まれ、東京都出身。東北大学医学部医学科卒。東京勤労者医療会代々木病院などを経て現在、参議院議員、日本共産党副委員長・政策委員長。著書に「どうする 日本の年金」(新日本出版社)など。