日本政策投資銀行は、環境性能などに配慮した物件を評価する「グリーンビルディング認証制度」のうち賃貸マンションを対象とする「レジデンス版」を導入した。建物の環境性能や入居者の生活利便性などを総合的に評価して点数化し、評価ランクを付ける制度で、オフィスビル、物流業者の倉庫、商業施設に続く第4弾。第1号案件として積水ハウス・SIレジデンシャル投資法人が保有する2物件に対し認証を実施した。
政投銀はレジデンス版だけで初年度50棟の認証を計画している。
レジデンス版は、環境配慮のほか、快適性や災害時の備え、オーナーと入居者の対話も評価対象に加えている。具体的には(1)ごみの管理やごみ集積スペースなど設備の清掃が定期的に行われているか(2)建物の耐震性に加え、物件が所在する土地の浸水、液状化対策が講じられているか-などがチェックされる。
第1号物件は「プライムメゾン品川」と「プライムメゾン御殿山EAST」(いずれも東京都品川区)。レジデンス版は4段階評価で、いずれも最高ランクの認証を受けた。共用部だけでなく専有部でもLED(発光ダイオード)照明を採用したほか、太陽光発電パネルを設置するなど省エネ・創エネを推進。緑化にも積極的に取り組んでいることが評価された。
また、清和綜合建物が保有する高級賃貸住宅「グランハイツ白金」(同港区)など第2号以降の案件も着実に増えている。当面は賃貸マンションが対象となるが、分譲マンションについては分譲の前段階で認証することを視野に入れている。