平成12年に経営破(は)綻(たん)した大手百貨店、旧そごうの元会長の水島広雄(みずしま・ひろお)氏が7月28日、心不全のため死去していたことが、20日わかった。102歳。京都府出身。葬儀・告別式はすでに近親者で執り行った。
水島氏は昭和33年、日本興業銀行から大阪の老舗百貨店、そごうの副社長に就任。37年に社長になった後、興銀や日本長期信用銀行などからの融資をもとに拡大路線をしき、全国に店舗を展開した。
強力なリーダーシップのもと中堅百貨店のそごうを売上高日本一の百貨店に成長させたが、バブル崩壊による金融不況で資金繰りが悪化。経営責任を問われ、平成12年4月に会長を辞任した。同年7月、グループ22社が1兆8700億円もの負債を抱え、民事再生法の適用を申請し、事実上倒産した。
水島氏はそごう破綻直後、私財の差し押さえを免れるため約1億5600万円を隠したとして、強制執行妨害罪に問われ、18年有罪が確定。同年、旧日本長期信用銀行と締結した債務の連帯保証など約226億円の負債を抱え、破産した。