【どこまで進む? 再生可能エネルギー】東京大学大学院教授・荒川忠一氏 (2/2ページ)

2014.6.23 05:00

 --着底式と浮体式のどちらが有利か

 「私は、ノルウェーのスパー型と呼ばれる浮体式が本命だと思っている。細長い円筒状のシンプルな浮体構造で、コストを低下できる。開発した企業によると、1キロワット時20円も可能としている。環境省が五島列島で運転中の風車は、この構造とコンクリートを使ったハイブリッドスパー型を採用している」

 --風力発電は電力系統の問題がつきまとう

 「北海道と本州をつなぐ北本連系線を強化し、スマートグリッドを駆使すれば成り立つ。欧州では全電力量の30~40%を風力で賄う国もあり、日本の1%以下という現状はおかしい。再生可能エネの中で一番経済性に優れており、陸上でも3000万キロワット導入し、全電力量の10%とすることが可能だ」

                   ◇

【プロフィル】荒川忠一

 あらかわ・ちゅういち 1980年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。助教授などを経て、96年から現職。再生可能エネルギー協議会特別委員。宮城県出身。63歳。

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