理化学研究所は「産業界との融合的連携研究制度」に基づき、パナソニックと深紫外線LEDモジュールの共同開発を行った。理研の平山秀樹主任研究員らが開発した低欠陥結晶成長プロセス技術と多重量子障壁構造の高効率な電子ブロック層の導入技術など、各結晶層の最適設計技術によってLEDチップの結晶欠陥密度を1/3に低減し、大幅に発光効率を高めた。このチップを搭載した深紫外線LEDモジュールは、ピーク波長270nm、10mW以上の高出力、1万時間の長寿命を実現した※。また、薄型で防滴構造にしたことで、狭い空間や水回りでも組み込みが可能だ。さらに、水銀を含まない、オゾン発生ゼロなど環境負荷が少ないのも特徴だ。同モジュールは、パナソニックが2014年6月16日から販売を開始する。
※定格120mA、室温25℃の条件において、初期光量の70%(LT70)になるまでの参考時間。
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【プロフィル】椿健治
1992年広島大学大学院工学部博士課程前期修了。同年松下電工(現パナソニック)入社、現在に至る。2006年東京農工大学大学院博士課程後期課程修了(工学博士)。13年から現職。