独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は27日、海洋資源調査船「白嶺(はくれい)」を同機構船橋基地(千葉県)で報道陣に公開した。日本近海の海洋資源開発を担う「フラッグシップ(旗艦)」として、来月3日には日本最東端の南鳥島周辺でコバルトなどを多く含む海底地層を調査するため出港する。
平成24年に完成した白嶺は、水深2千メートルの海底に到達した後、さらに地下400メートルまで掘り進むことができるボーリング装置を搭載。一定の悪条件下でも元の場所から1~3メートルの範囲内に留まる能力を持つなど「海洋資源の調査に最適な能力」(JOGMEC)を持つ。
4~6月にかけては、ハイテク機器に使われるコバルトやニッケルなどレアメタル(希少金属)を多く含む「コバルトリッチクラスト」の調査を行う。JOGMECは今年1月に南鳥島沖約600キロの公海に位置する計3千平方キロメートルの鉱区の独占探査権を取得することで国際海底機構と契約。26年度は南鳥島周辺の調査を進め、27年度に独占探査権を得た鉱区の調査に着手する計画だ。
JOGMECの塩川智・金属資源技術部長は「将来の事業化に向け、着実に調査を進める」と強調する。