【アジアの目】
マレーシア航空機が行方不明になっている事件(事故)をめぐり、関係各国の間で責任のなすり合いが激しさを増している。中国はマレーシア政府への非難を強めるが、その一方、偽のパスポートや航空券の発券がタイ国内で行われていたことから、テロや犯罪組織がタイを“利用”している実態が指摘されている。
今回の事件は、原因がいまだ不明で、関係国も多いことから、責任の所在を明確にするのは容易ではない。にもかかわらず、中国当局は事件後早々にマレーシア政府の事故後の対応が遅いなどと批判。
さらに故障ならマレーシア航空の責任が大きいと指摘した。盗まれたパスポートを使って2人が同機に乗っていたことが明らかになると、「テロなら搭乗を認めたクアラルンプール空港の責任だ」などと、非難をエスカレートした。
こうしたなか、マレーシアのマハティール元首相は10日、クアラルンプール郊外のプトラジャヤのホテルに待機する搭乗者の家族らを訪問。その後、記者団に「非難ゲームは事態の解決には結びつかない。関係当局が航空機の捜索に全力を挙げていると信じている」などと述べ、中国を名指ししなかったが、関係国に冷静な対応を呼びかけた。