タイ混乱、力の対立から神経戦に 憲法裁・独立機関の動向焦点 (1/3ページ)

2014.3.12 05:00

1月14日のバンコク・ラチャプラソン交差点。反政府デモ隊が占拠していた(小堀晋一撮影)

1月14日のバンコク・ラチャプラソン交差点。反政府デモ隊が占拠していた(小堀晋一撮影)【拡大】

  • 3月2日のラチャプラソン交差点。当局の指導により反政府デモ隊は撤退した(小堀晋一撮影)

 約4カ月が経過したタイの政治混乱は、反インラック政権派のステープ元副首相率いるデモ隊が占拠していた主要交差点などを開放したことで新たな様相を呈している。デモ隊は今後も抗議を続けるとするが、力による対立のヤマ場は越えて最終局面に移ったとの指摘もある。反政府派はなぜ、ここにきて戦術を転換したのか。そして、宙に浮いたままの選挙の行方は。

 ◆デモ隊の誤算

 「やはり、あのことが決定的な誤算だった」。英字紙バンコク・ポストで政局取材を続けてきた記者はこう言って事態を振り返る。「あのこと」とは2月24日にプラユット陸軍司令官が自らテレビ演説に出演したこと、「誤算」とは同司令官が「軍は現在の政治局面に介入するつもりはない」と明言したことを指す。デモ隊を率いるステープ元副首相が、7週間にわたってバンコクの主要な交差点を占拠し続けてきた「バンコク封鎖」の戦術転換を余儀なくされた主因とされた。

 直接のきっかけは、2月23日白昼に「バンコク伊勢丹」などが立ち並ぶバンコク中心部で発生した爆発事件だった。6歳と4歳の幼い姉弟が死亡、多くの買い物客らがけがを負った。それまでもデモ隊に手榴(しゅりゅう)弾が投げ込まれたり、発砲事件によって死亡者が出たりしたことはあった。だが、犠牲者はデモに積極的に加わった人たちばかりで全員が成人。発生場所も外国人があまり立ち寄らない場所で、圧倒的に夜間の衝突が多かった。

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