日本郵政は5日、同社の前社長で顧問に就任していた坂篤郎氏が同日付で退任したと発表した。また、日本郵政、日本郵便、ゆうちょ銀行のグループ全体で約20人いる坂氏以外の顧問も3月31日付で退任する。坂氏については、菅義偉官房長官が4日、所管の総務省に無断で顧問に就任し報酬を得ていたことを批判し、日本郵政に見直しを求めていた。
菅氏は5日の記者会見で、坂氏の退任について「当然のことだ」と指摘。さらにグループ全体で約20人の顧問を抱えている点に触れ、「日本郵政は民営化に向けて経営の効率化や透明性が強く望まれている。多数の顧問に多額の報酬を支払っていることは、国民の常識と大きくかけ離れている」と厳しく批判した。
坂氏は平成24年12月に斎藤次郎氏の後任として社長に昇格した。いずれも財務省(旧大蔵省)のOB。安倍晋三政権は2代続けての財務省OBの社長就任を問題視。民間出身の西室泰三・東芝元社長を社長に招いた。日本郵政によると坂氏は昨年9月に顧問に就任していた。
日本郵政は坂氏就任の理由や顧問の報酬額などは明らかにしていない。