8月の電力供給予備率【拡大】
政府が、沖縄を除く9電力管内に要請した節電期間が1日から始まる。各地域で一定の電力の供給余力を確保できる見込みのため数値目標は設けない。政府の節電要請は、東日本大震災後の2011年夏から冬を含めて5回目で、全地域での数値目標見送りは初めて。ただ総発電量に占める原発比率が高かった関西や九州は余裕のない水準。発電所の大規模トラブルで需給逼迫(ひっぱく)に陥る恐れを抱え、原発の稼働停止が続く中、今年も気の抜けない夏になる。
今夏の節電期間は1日~9月30日で、平日の午前9時~午後8時が対象。盆の8月13~15日を除いて、「国民生活や経済活動への影響力を極力避けた無理のない形」での自主的な節電を求める。
政府は、電力需要がピークの8月の予備率(最大需要に対する供給余力)を全国で6.2%と見込む。東電管内は6.7%で、各電力とも安定供給に最低限必要とされる「3%以上」を確保できる見通しで、昨夏に関西と九州で10年比10%以上、北海道で同7%以上、四国で同5%以上としたような数値目標付きの節電は見送った。