携帯電話やパソコンなど小型家電をリサイクルする新たな制度が4月1日から始まる。従来の家電リサイクル法で回収が義務づけられているエアコンやテレビなど4品目以外を対象に、市区町村が消費者から回収し貴金属などを取り出してメーカーが再利用する仕組みだ。
制度には「都市鉱山」と呼ばれる都市に眠った貴金属やレアメタル(希少金属)などが中国をはじめ海外へ流出している実態を食い止める狙いもある。
回収対象となる小型家電の中でも、携帯電話はインジウムなど20種以上のレアメタルが含まれる上、携帯1万台から50グラムの金が取り出せる。これは天然の金鉱ならば50トン分掘らなければならない量で、都市鉱山として有望視されている。
携帯電話会社などが回収を進めるが、平成12年度の1361万台から減少傾向で23年度は696万台。業界団体の電気通信事業者協会は「個人情報や写真などが保存されている上、高機能なスマートフォンはカメラやゲーム機などとしても使われ、消費者が手放したがらない」と分析する。