東北・上越新幹線で開業当初から活躍してきた国鉄最後の新幹線「200系」が15日、定期運転から引退した。
東京と雪国の間を約30年にわたって駆け抜けた「丸顔の美人」。最終列車を任された編成はこれまで約1200万キロ、地球300周分を走行した。「お疲れさま!」「ありがとう!」。多くのファンが見送る中、最終列車となった東京発新潟行きの「とき347号」に記者も乗り込んだ。(大竹直樹)
「プヮーン」。午後8時、JR東京駅の22番ホームに長い警笛が響かせ、白地の緑の帯をまとった200系が姿を現した。女性鉄道ファンの“鉄子”、東京都文京区の平井芙美(ふみ)さん(35)は「愛くるしい表情がかわいくて、大好きだった車両がなくなるなんて悲しい」と名残惜しそう。
ドアが開いたのは発車のわずか3分前だった。席はすぐに埋まり、車内は通路からデッキまで人であふれかえった。午後8時12分、定時発車。ゆっくりと動き出すと、車窓には手を振るファンの姿が見えた。200系が多くの人々に親しまれてきたのが分かった。