50×60メートルの計算機室には864台のラック(筐体)が整然と並び、驚くほど静かに稼働している。
ラックには中枢部品のCPU(中央演算処理装置)を4個ずつ搭載したボードが計24枚、ぎっしり詰め込まれている。
この最先端の頭脳が活躍する場は多岐にわたる。京の活用分野について、文部科学省は、生命科学・医療▽新物質・エネルギー▽防災・減災のための地球変動予測-など戦略5分野を指定する。地震や津波、台風など地球科学に関するシミュレーション(模擬実験)に活用すれば、効果的な災害の予知・予測や被害軽減につなげられる。
産業面でも期待は大きい。たとえば医療分野では心臓の動きを模擬実験して診断につなげ、タンパク質の立体構造を精密に再現して製薬の参考にする。