電通九州にも是正勧告 労働時間の把握不十分

 

 女性新入社員が過労自殺した広告大手電通の子会社の電通九州(福岡市)が、社員の労働時間をきちんと把握していなかったとして、昨年秋に福岡中央労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが16日、同社への取材で分かった。

 電通九州によると、昨年10月下旬、同労基署が立ち入り調査。社員が勤務状況を入力するコンピューターシステムに出退勤時刻の項目がなく、労働時間を管理していないなどの理由で同月29日、是正勧告を受けた。時間外労働の申告がない場合、勤務時間を定時の「午前9時半から午後5時半まで」としていた。

 同社は今年1月、システムを改修。社員に出退勤時刻の入力を義務づけた。

 電通社員の過労自殺を受けて、厚生労働省は今年10月にも、電通九州の立ち入り調査を実施している。