【株式ニューカマー】霞ヶ関キャピタル 自然エネ開発と不動産の2本柱で成長目指す

2019.1.15 10:30

 霞ヶ関キャピタルは、太陽光発電施設開発、投資用不動産開発、ショッピングセンター運営を手掛け、社会課題の解決と成長性が期待できる分野に事業を展開し、業績を伸ばしている。2018年11月28日に東証マザーズ市場に新規株式公開(IPO)を果たした河本幸士郎社長は「毎年25~50%成長させていく」方針だ。

 --具体的な事業内容は

 「太陽光発電施設を全国で設置している。投資用不動産については、インバウンド(訪日外国人客)向けに中長期の滞在を想定した低料金のアパートメントホテルを開発していく。保育施設は女性の就業率と保育利用率の増加に伴い、拡大している待機児童問題解決へ寄与する事業を進めている。ショッピングセンターは11年の東日本大震災で被害を受けた宮城県大河原町の物件を取得し、地元に愛される施設に再生した」

 --業績の動向は

 「19年8月の売上高は前期比90.8%増の77億800万円と予想している。このうち最も大きな割合を占める太陽光発電開発は同2倍増の40億4700万円、投資用不動産開発が同83.4%増の30億700万円、ショッピングセンター運営が同61%増の6億5400万円を見込んでいる。経常利益と最終利益については同50%増とみている。19年8月期までは従業員を積極的に増強していくが、以降は採用を控える。これにより利益率が向上するだろう」

 --これまでの成果と新たな事業は

 「投資家向けにニーズを的確に踏まえて、確実な収益化が見込める太陽光発電と不動産に関する投資商品を開発している。手掛けた案件はこれまでに一件も損失を出していない。今後はファンド運用にも参入して、運用報酬など安定収益を得られるようにしたい」

 --上場の目的は

 「信用力を向上させることで優秀な人材を確保し、資金を調達しやすくするためだ。調達した資金は物件の開発費用に充てる。これまでは開発した物件の売却が中心だったが、今後は太陽光発電やホテル対象のファンドを立ち上げて、事業展開のスピードを速める」

 --電力買い取り価格が下がっている

 「固定価格買い取り制度(FIT)の価格は、12年の開始当初と比べ、ほぼ半減した。しかし、部材や設置のための開発コストも大幅に下がっているので、十分利回りは確保できる」

 --中長期的な事業展開のイメージは

 「自然エネルギー開発と不動産の2本柱で事業を牽引(けんいん)していく。自然エネルギーについては太陽光発電施設を屋根上などに設置して低コストの開発を進めていくほか、木質チップを燃料とするバイオマス発電の中小型施設にも取り組む。不動産事業についてはこれまで東京中心だったが、蓄積したノウハウを生かして大阪、京都、沖縄を重点地域として拡大していく」

【プロフィル】河本幸士郎

 こうもと・こうしろう 阪大経卒。1999年明豊ファシリティワークス入社。グロブナー・ファンド・マネジメント・ジャパン・リミテッドなどを経て、2014年12月フォルテ(現・霞ヶ関キャピタル)入社。15年8月から現職。45歳。兵庫県出身。

【会社概要】霞ヶ関キャピタル

 ▽本社=東京都千代田区霞が関3-2-1

 ▽設立=2011年9月

 ▽資本金=4億288万円

 ▽従業員=26人(2018年9月末時点)

 ▽売上高=77億800万円(19年8月期予想)

 ▽事業内容=自然エネルギー施設開発・販売、不動産コンサルティング、ショッピングセンター運営

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