2016.5.3 05:00
■健康商品
香川県の食品、化粧品関連メーカーの間で、食後の血糖値上昇を穏やかにするとされる希少糖を活用する動きが相次いでいる。菓子製造販売のルーヴ(高松市)はスイーツを順次商品化。これを受けて東京・大阪などの高級ホテルが、結婚式用ギフトとして本格的な採用に乗り出した。また、セレーネ(同市)は希少糖の一種を配合した化粧品を開発した。同県では「ホワイトバレープロジェクト」と題して、香川大を中心に産学官連携による希少糖の一大産業化に取り組んでいる。
健康志向の高まりを追い風に、県の関係者は「セミナーなどを通じ情報発信に力を入れ、需要増につなげていきたい」と、うどんに次ぐ名産品への育成に意欲を示す。
ルーヴは、全糖分の25%分に希少糖を配合した焼きドーナツを販売。また、こんにゃく製造・販売のハイスキー食品工業(同県三木町)と連携し、カロリーを抑制したパフェなどを販売している。このうち、焼き菓子は香川発の土産物として地元空港などで販売されているが、同県以外でも新たなルートを開拓しつつあるため、シリーズ化の検討も視野に入れて拡販を目指す。
セレーネは希少糖の一種を配合した化粧品を商品化、レアスウィートコスメ(高松市)を通じて販売を開始した。食品以外の用途として希少糖が原料に使用されるのは初めて。肌のはりや弾力の保持を目的に、乳液やクリームといった4機能を凝縮したジェルで、通信販売を中心に展開して5年後に年間10億円の売り上げを目指す。
菓子や化粧品に使用されているのはレアスウィート(同市)が供給する希少糖含有シロップ「レアシュガースウィート」。同社の近藤浩二社長は「全国的には、希少糖の機能性や特長が十分に認識されていない。さらに正しい理解を促す努力をするとともに、大手食品メーカーにも納入してPRしたい」と話している。
コンビニエンスストアなどでは、健康志向に沿った商品が業績の下支え役を担っている。健康を軸に食料品販売を拡大する方針を打ち出す動きも顕在化しており、希少糖を使った商品化の動きは活発に推移しそうだ。