ウーロン茶、戦略商品相次ぐ 伊藤園はトクホで新商品

2015.2.19 06:16

 飲料大手の伊藤園が、特定保健用食品(トクホ)のペットボトル入りウーロン茶の新商品を4月中旬に発売することが18日、分かった。他社の一般的なウーロン茶とほぼ同水準で、トクホとしては低めの価格に設定。主力商品として拡販を図り、ウーロン茶で国内トップのサントリー食品インターナショナルとの差を縮めたい考えだ。

 伊藤園はこれまで、トクホの「カテキン烏龍(ウーロン)茶」をペットボトル(350ミリリットル)などで販売してきた。消費者のニーズが高く、優位性を持つトクホの新商品を投入することで、他社の一般的なウーロン茶からの乗り換えを促したい考え。新商品は500ミリリットルボトルに一本化する。

 新商品は脂肪の吸収を抑える効果を持つ成分の苦みなどを抑え、飲みやすさを重視。「鉄観音」「黄金桂」といった希少な茶葉を使い、味にもこだわる。

 飲料メーカー各社は今年、ウーロン茶の戦略商品を相次いで投入する。ウーロン茶の国内市場でシェアが5割を超えるサントリーは、2006年に発売したトクホの「黒烏龍茶」を9年ぶりに刷新する。渋みを減らし、さっぱりとした味わいにするほか、ボトルもスタイリッシュな細身のデザインに切り替える。

 また、日本コカ・コーラ、ポッカサッポロフード&ビバレッジは国産茶葉だけを使ったウーロン茶をそれぞれ投入する。ウーロン茶に使う茶葉は中国産や台湾産が主流だったが、国産に切り替えることで「食の安全」をアピールするのが狙いだ。

 各社がウーロン茶の新商品を積極的に投入するのは、消費者の健康志向の高まりで無糖系飲料のニーズが拡大しているためだ。さらに14年のウーロン茶の国内市場は約6000万ケースと01年のピークから約半減し、低迷していることも背景にある。

 昨年、ペットボトルの緑茶飲料の売れ行きがトクホ商品の投入などで伸びたこともあり、各社は戦略商品で需要を刺激し、ウーロン茶市場の再活性化を実現したい考えだ。

 ■今後発売されるウーロン茶

 (商品内容/価格/時期)

 サントリー食品インターナショナル トクホ商品の「黒烏龍茶」を刷新/160円(350ミリリットル)/3月

 ポッカサッポロフード&ビバレッジ 国産茶葉だけを使った「にっぽん烏龍」/124円(500ミリリットル)/3月

 日本コカ・コーラ 国産茶葉だけを使った「つむぎ」/140円(500ミリリットル)/3月

 伊藤園 低価格のトクホ新商品/150円(500ミリリットル)/4月

 ※税抜き希望小売価格

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