キリン、「ゼロゼロ」第3のビール1月投入 発泡酒に加え品ぞろえ

2014.11.27 06:06

 キリンビールは26日、糖質ゼロで、痛風のもとになるとされるプリン体もゼロのいわゆる「ゼロゼロ」の第3のビールを来年1月27日に発売すると発表した。さらに、100ミリリットル当たり20キロカロリー以下のカロリーオフとするなど、健康志向の機能を前面に出した。

 ゼロゼロのビール類は、現在大手4社が発泡酒を販売しているが、現時点では第3のビールの商品はなく、キリンが唯一。350ミリリットル缶の店頭税抜き価格が145円程度と、発泡酒よりも20円程度安くなることから、ゼロゼロ発泡酒ユーザーの取り込みも狙う。

 キリンは第3のビール主力ブランド「のどごし〈生〉」シリーズに、ゼロゼロの「のどごしオールライト」を加える。気軽にごくごく飲める味わいと、軽快で体に負担の少ない機能を持つ商品に仕上げた。

 「ゼロゼロ」商品は、サッポロビールが2013年6月に「極ZERO」を第3のビールとして初めて投入した。しかし、今年に入って製法などをめぐり、第3のビールでない可能性を国税庁から指摘されたことを受け、製造・販売を中止。それまでの累計販売に対し、正規の酒税分と、第3のビールの税率による差額116億円を、国税庁に追加納付する異例の事態となった。

 キリンはこの点も留意。関係者によれば、「さまざまな状況からサッポロで問題となったであろうとした工程などは回避したほか、通常よりは慎重に国税庁とのやりとりをした」として、サッポロのような事態は回避できると自信をみせる。ただ、製法については、特許申請手続きなどもあり、詳細は明らかにしなかった。

 ゼロゼロ商品についてはサッポロが、7月に発泡酒の規格で、極ZEROを再発売した。これを受け、アサヒビール、キリン、サントリー酒類(現・サントリービール)も9月に「ゼロゼロ発泡酒」を投入。大手4社がそろい踏みとなるなど、注目を集めていた。発売で先行していたサッポロにキリンが迫り、現時点は2強となっている。

 ■ビール大手4社の「糖質・プリン体ゼロ」のビール類

          商品名/アルコール度数(%)/年内販売目標(ケース)

 キリンビール   のどごしオールライト/2.5~3.5/470万

          淡麗プラチナダブル/5.5/240万

 サッポロビール  極ZERO/4/260万

 アサヒビール   スーパーゼロ/5.5/120万

 サントリービール おいしいZERO/5/100万

 ※1ケースは大瓶20本換算。のどごしオールライトは来年1~12月末までの販売計画

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