2013.12.17 11:50
近畿日本鉄道は、来春に近鉄賢島駅(三重県志摩市)と阪神電気鉄道の三宮駅(神戸市)を結ぶ直通特急の運行を始める方針を決めた。当初は今春の運行開始を目指していたが、両社の料金制度の違いなどから協議が難航していた。団体旅行扱いで随時、臨時便を運行する。
近鉄の小林哲也社長が16日までに、産経新聞のインタビューで明らかにした。
近鉄と阪神は平成21年3月、阪神なんば線の開通で近鉄奈良-阪神三宮間の相互乗り入れ運転を開始。賢島-三宮間の直通特急は、なんば線のネットワーク効果の目玉として当初は25年春の運行を目指していた。
だが、料金設定をめぐって、近鉄は運賃に特急料金を上乗せする方向で調整したものの、特急料金のない阪神と交渉が難航。伊勢神宮(三重県伊勢市)の「式年遷宮」がクライマックスを迎えた10月にも間に合わなかった。
結局、同区間で近鉄特急を投入し、臨時の団体旅行として扱うことで折り合いをつけた。
今後、利用状況をみながら本格的な運行も視野に料金体系やダイヤなども検討する方向だ。近鉄の区間だけで特急料金を上乗せする可能性もあるという。
一方、小林社長はグループの旅館などで発覚した食材偽装の問題について、「近鉄のイメージを落とした。現在進めている調査の結果次第では事業会社の再編もあり得る」と話した。